【スタツア7日目】ラオスで感じたフェアトレードの実態と限界
やっと暖かいシャワーがある宿に移動できました、ひろきです。
前の宿をチェックアウトして、別なところに来ました。
Wi-Fiは強いし、シャワーは暖かいし、そしてベットは3人分ある!
やっと一人分のベットで安らかに眠れます。
のはずが・・・
けんしろ「もちろんシングルベット2人、ダブルベットに一人だよね?」
でました、ここでもやるみたいです。
まだまだ安眠への道は遠そうです。
今日は年に1度、JCFC(ラオスコーヒーを取り扱う農業組合)に所属する農家が集まる会議、Farmers’ meetingを見学してきました。
約20人、JCFCに所属している村の代表が集まりました。
8時開始と聞いていましたが、結局会議が始まったのは9時半ごろ。
このあたりがラオスらしいです。
農協幹部に聞いてみると、
幹部「8時でみんなに集合かけたから、9時頃に集まると思うよ」
さすが、9時開始を狙っての8時集合だったんですね(笑)
会議は様々なテーマが話し合われましたが、その中でフェアトレードのプレミアムの用途紹介がありました。
フェアトレードプレミアム(農協側はソーシャルプレミアムと表現していました)は、企業が作物を購入する際、その価格以上のお金を払い、生産者の生活向上に役立てるというもの。
今年はアメリカとヨーロッパの企業がラオスコーヒーの売り上げ分10%をプレミアムとして寄付してくれました。
そして農家のために購入したのがこちら!
そう、この緑色のプラスチック袋です。
え?たったのこれだけ?
なんだかちょっとがっかりしてしまいました。
しかしよくよく話を聞くと、この袋はすごいことがわかっていきました。
これは、コーヒー豆の状態を保存するための袋。
コーヒーは非常に繊細な取り扱いが必要で、特に水分含有量の調節が難しいそう。
倉庫においておくだけでも、余分な水分を吸ってしまうのだとか。
そこで、この袋の登場です。
特殊な構造のおかげで、余分な水分から豆を守ってくれます。
農家にとってもよりよい品質のコーヒーを販売することができます。
これには農家の人たちも興味津々でした。
公正な価格で買う以外にも、ソーシャルビジネスとしてプレミアムを行う意義があると感じました。
ただ結局はコーヒー豆のことに使われてしまっているのも事実です。
組合や農協に加入している人の利益にしかなりません。
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僕はラオスの人たちを可愛そうと思ったことはありません。
のどかで、いつも平和な時間が流れています。
それでも、道路はでこぼこで、子どもたちは働くために学校をやめたりすることがあります。
まだまだ解決できていない問題があるのも現状です。
ドリプロがフェアトレードでコーヒーを販売する以上、ラオス国内の貧困問題は避けて通れません。
フェアトレードの目的の一つとして途上国生産者の賃金アップ、大きく言えば生活水準の向上があるからです。
ただ、どこまで国内問題に対して関わっていくかはドリプロ内でも意見が分かれています。
単に公正な価格で販売すればいいのか、それともより“支援”を行うべきなのか。
個人的には、プレミアムをつくって“支援”をするのもよいかと思っています。
会社なら別ですが、あくまで学生団体なので、しっかりとソーシャルビジネスをおこないつつ、問題解決のために時間を割くことができるからです。
まずは、こうして得た学びを団体に持ち帰り、みんなと熟議を重ねたいと思います。
明日はかなり質のよいコーヒーを作っていると噂の村を訪れに行きます。
それじゃ!
(ひろき)
【スタツア6日目】コーヒーの奥深い話とラオス文化の体験 2017/12/28
どうも、昨日はラオスの知り合いの結婚式に参加させていただいたたくみです。
招待状を頂いて最初は参加しても良いのかと思いましたが、
大いに歓迎されて、食べて踊って飲んで。楽しみました!
さて、今日は主に2つのイベントがありました。
①焙煎(コーヒー豆を焼く作業)を体験しました。
②バーシー (ラオスで無事に帰ることができるように願う儀式)
①焙煎について
豆を育てることは簡単ではありませんが、味を引き出すように焼くこともまた大変難しい作業です。今日は焙煎を体験しました。(初めてでドキドキ。)
ラオスに留学しているドリプロのOBの方に教えていただきました。
感覚をを研ぎ澄ます。
豆の焼いた音、色、香りなどチェックしながら進めていきます。
(本当に奥が深いです。)
何度も何度も繰り返し練習しなければ
納得のいく味に焙煎できないと感じました。
(焙煎を間違えれば豆の良さを引き出せないこともあります。)
彼は焙煎と豆の仕分け作業、
なかなかの集中力。
②バーシー
バーシーでは姉妹団体であるFラオさんと一緒に参加させて頂きました。
(何度もお邪魔をしてしまい、すみません。)
お互いの帰国への無事を願って手首に紐を巻いていきます。(これは3日後に自分で解かなければならない決まりです。)
バーシーは個人的には2回目ですが、
毎回思うことがあります。
この儀式は相手を大切に思いやる気持ちから成り立っていること。
ラオスの人々の暖かさを感じます。
ラオス住みたいな。
日本に帰りたくなくなってる私がいます。
(たくみ)
【スタツア5日目】加工期間約数か月。こだわりのナチュラル製法。 2017/12/27
ここ3日続けて床に掛布団を敷いて寝ています、ひろきです。
前々回にも書きましたが、僕たちが今止まっている部屋はベットが一つしかありません。
2人が寝たら、いっぱいになりそうなベットです。
そこでオーナーさんが気を利かせて掛布団を2枚持ってきてくれました。
ラオスの人は本当に暖かい人ばかりです。
これで素直にベットに二人寝ればいいのに、
けんしろーさん「じゃんけんでベット1人、布団2人にしようぜ!」
思わず反射的に乗っかってしまったことが、問題でした。
ネタとしてはおもしろいけど、さすがに3日続くと柔らかいベットが恋しいです。
今回はコーヒーの加工に関してお話していこうかと思います。
まずはその前に、コーヒー豆はどうつくられているのか軽く説明しています。
(知ってるよって人は飛ばしてください)
そもそも、コーヒー豆は「コーヒーノキ」という木の種子部分です。
季節の移り変わりとともに、コーヒーノキには花が咲き、「コーヒーチェリー」と呼ばれる実ができます。
このコーヒーチェリーの中に入っている種子が、我々が普段飲んでいるコーヒーの基になるんです。
このコーヒーチェリーを私たちが普段見るコーヒー豆にするためには、まずコーヒーチェリーの中から種子を取り出さなくてはなりません。
そこで登場するのが、以下の三つの精製方法です。
・水洗式(ウォッシュド)
果肉・ぬめりを水で洗い流したのち、乾燥させる。多くのコーヒーがこの精製方法。
・半水洗式(ハニー)
ウォッシュドとナチュラルの中間。
・天日干し式(ナチュラル)
果肉のままそのまま天日干しさせ乾燥。
主にこの3つでコーヒーは加工されていきます。
さて、前置きが長くなってしまいました。
ここからが今日の本題です。
今日はかなり美味しいコーヒーがあると聞いて、ビエンサバン村に行ってきました。
パクソンからバイクで1時間半ほど行った場所にあるそれほど大きくない村です。
訪れたのはソンプ―さん。
一見、こわそうなソンプーさん。
道に迷って約束の時間から1時間遅れ、怒っているかと思いきや、
ソンプ―さん「この水飲みな!」
といってペットボトルの水をくれました。
見ず知らずの日本人なのに、ほんとラオスの人はあたたかいです。
なんでも、この方が作るナチュラルのカティモールが美味しいんだとか。
*カティモール:ラオスでつくられるコーヒーの一種。病害に強く生産性も高いが、味はティピカに比べるとそこまでと言われていた。
先ずは、乾燥工程を見せてもらえることに。
ビニールシートの上にのっている黒いのが、乾燥させたコーヒーチェリーです。
多くの家はコンクリートの上で乾燥させますが、ここではすこし高めのところで乾燥をさせています。
そうすることで、上と下のムラが少なくなるんだそうです。
そして1時間ごとにチェリーをかき混ぜて、日の当たり方によるムラも防いでいるとのこと。
この状態で1-2か月程度乾燥させ続けます。
ナチュラル製法にすることで、果肉の甘みがコーヒー豆に染み込みます。
香りがより高いコーヒーになるそうです。
この方の農園も見せて頂きました。
同行してくれていたコーヒー農家さんによると、この農園の土は柔らかくとてもいいとのこと。
もともとの土壌がいいのに加え、収穫作業を手作業で行っているからだと思われます。
コーヒーはとても環境に左右されやすい作物です。
標高や土壌によって味も変わってきます。
しかしそれと同時に、どこまで農家がこだわるかによっても品質は変わります。
いいものを作れば、高く買ってもらえる。
実際、この農家のコーヒーは市場の価格よりも高く取引されています。
“いいもの”をつくる。
シンプルですが、改めて大切なことだと感じました。
明日はコーヒーマスターにくっついて、お仕事を見せてもらう予定です。
それじゃ!
(ひろき