ラオスとキャッシュレス決済
こんにちは。しょうだいです。
今月は「ラオスについて」。
先日、買い物をしにスーパーへ行ったのですが、レジを打ってもらっているとき、あることに気がつきました。
財布を忘れた。
でも、焦ることはありませんでした。なぜなら、スマホがあればお会計できますもんね。
小学校低学年のときのことですが、コンビニで会計の列ができている中、レジで手持ちの現金が足りず店員さんに、「すみません、やっぱりやめます、、」と言ってお店を出たときの恥ずかしさはなぜか今でも覚えています笑
そんな僕もようやくサザエさんの気持ちがわかるようになった気がしました。(テクノロジーが進歩しただけです)
そんな便利で心強いキャッシュレス決済ですが、現在様々なサービスが乱立していますよね。どれを使ったらいいのやらと。実はこれ、ラオスでも起きており、QRコードなどは統一しようという動きもあるみたいですよ。
とはいえ、ラオスでは現金の利用が一般的で、クレジットカードやデビットカードの使用率は高くありません。
クレジットカードなどをつくるためには、多くの場合口座を開設する必要がありますが、都市部での銀行口座保有率は69%ほど。
ラオスは人口731万人のうち、73%の人々は山間部を含む農村部で生活しており、農村部での口座保有率については、30%ほどしかありません。
世界銀行が発行している「The Global Findex Database 2021」を見ると、ラオスでは都市部と農村部のギャップが大きいことがわかります。
では、モバイル決済に必要な携帯電話(スマホ)はどうでしょうか。
2020年時点での普及率は、ラオス全体の79%となっていますが、2019年には60%だったため、都市部を中心に急速に普及が進んでいます。
そのため、ビエンチャンなどの都市部では、キャッシュレス決済の利用も拡大してきているようです。
では、農村部はどうでしょうか。ラオスの農村部では、牛をよく見かけるかと思います。
ラオスでは、伝統的に牛などの家畜を所有・飼育し、それらは資産として大事に扱われてきました。子どもの教育費の支払い等でどうしてもお金が必要になれば、牛を売って現金に換えるといったように、まさに貯金のような役割を果たしていたのです。また牛は、ときには労働力として、ときには儀礼の供養として利用されることもあり、現金や銀行口座の状態でお金を保管するよりも価値がありました。
しかし、そんなラオスも貨幣経済への移行が急速に進んでおり、農村部でも様々な変化が見られ、これからも変化していくことが考えられます。お隣の中国のように農村部でもキャッシュレスが一般的になることもあるかもしれません。
12月のラオス渡航時には、そんなところも見れたらなと思っています。
ラオス特有の、豊かな自然やゆったりとした時間の流れ。
変わってもいいことと、変えてはいけない大切なこと。
テクノロジーの恩恵に与りながらも、目の前の甘い果実に囚われることなく、普遍的で本質的に大切なことに目を向けながら生活していきたいものですね。
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参考文献
独立行政法人国際協力機構(JICA), ”ラオス国ブロックチェーンを活用した即時決済システム事業準備調査(海外投融資)【予備調査】”,
https://libopac.jica.go.jp/images/report/P1000048506.html(2022年8月)
World Bank, "The Global Findex Database 2021",
https://www.worldbank.org/en/publication/globalfindex/Report
DataReportal(2020), ”Digital 2020 Laos",
https://datareportal.com/reports/digital-2020-laos
渡辺盛晃, "ラオス南部における地域住民の現金収入源とコメ・肉・魚の生産・消費からみた複合生業の現状”,
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jicad/14/0/14_30/_pdf/-char/ja (2016)
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現状をアップデート
こんにちは、こんばんは、けいすけです。
今回はラオスのこと、特にインフラの現状について書こうかなと思います。
私は2回生の時にワークでラオスのことについて調べる機会があったのですが、その際にインフラが十分に整備されずに、市場が機能していないという事実を発見しました。
ラオスは社会主義国ではありますが市場は一応資本主義経済の形をとっており、その物流は自由に行われるはずです。
が、、、道路などのインフラが十分に整備されることなく経済活動が活発に行われているわけではないというのが去年調べた際の事実でした。
そのために各国は支援しつつ、特に日本はJICAを通してインフラ設備を整えつつODA支援を行い、この現状を解決しようとしています。
今年の年末にラオスに渡航することとなり、直接自分の目で現地の状況を見ることができます。
自分が調べたこと、さらにそれがどのような状況になっているかを知るいい機会となるはずです。
百聞は一見に如かず、飛び込んでみることが自らの観念をアップデートするために必要なのかなぁ。。
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JICAの活動はここから
参考文献
山田紀彦 ラオス 新思考政策の新展開 調査報告研究書 第5章
アジア経済研究所 2010
噛み茶、ミアン
こんにちは、みきです!
みなさん、突然ですが、お茶の起源をご存知ですか?
お茶とは、まず噛み物から生まれた飲み物なのです。
かつては植物の葉や樹皮を噛んで、神に近づくシャーマニズムとの関わりから始まりました。
そこから葉を乾燥させ、煎じて飲む方法が確立され、茶が成立しました。
また、噛み料の一部はお茶になり、一部はコカ・チューイングやタバコ・チューイングなどのように楽しみのために目的を変えていきました。
交易によって飲む茶が世界に広がったのとは対象的に、中国西南部、を含めた東南アジアの山間地では今もなお、食べる茶が生産されています。
ラオス・タイにて「ミアン」、という名称で親しまれています!
今回はそのミアンについてお話ができればと思います!!
ミアンとはチャの漬物のような物で、ラオスにおける工程は以下の通りです。
1, 新芽の全葉を収穫
2, 米などを蒸すかまで軽く蒸す
3, 竹筒に茶葉を入れ米の研ぎ汁を注ぐ
4, 2~3日後に水を抜きそのまま発酵させる
収穫したチャの葉を加熱し酸化を停止させた後、人工的に乳酸菌等の細菌や、カビや酵母の作用によって発酵させた茶生産物です。
そして完成したものを岩塩と一緒に食べます。
発酵させた茶葉を噛み、しみ出してくる味を楽しむため、「噛み茶」とも呼ばれています。
しかし、米の研ぎ汁に関しては、それを使うと茶葉の酸味が強くなりすぎる。との意見もあり、使わない家庭もあるそうです。
地域によっても工程が異なることもあり、家庭の味、郷土料理といった側面もあるのかなと感じました。
では、どのようなときに用いられるかというと、食後の口直しや、客人のもてなし、喫煙時や、農作業時に食されているのが一般的です。また、地域によっては宗教儀礼の供物としても利用されています。
発酵した茶葉からは酸味や渋味、また塩によるしょっぱさがするんだとか。
以前は発酵の際に竹筒を用いていましたが、現在はプラスチック容器を代用していることや、若年層がミアンを口にしていなくなりつつある現状があるそうです。
ここからはラオスのお隣、タイの話となります。
タイでも消費者が減少していますが、供え物としてはミアンの消費は今でも文化・習慣として残っているそうです。「食べる嗜好品」から「供えるためのモノ」として扱うようになっています。
それでもなお、消費者が減少しているミアン生産者には何か変化を及ぼしたのでしょうか?
ある生産者はミアン栽培の傍ら、紅茶やコーヒーの生産を始め、森林景観を生かしたエコツアーを開催している生産者もいるそうです。
さらに感心してしまったことが、生産者がこの状況をそれほど悲観していないことです。
彼らは、今後生産者が減少すると予測しており、より高い値段でミアンを売ることができると期待していることです。
ミアンを食す習慣がなくなっても、供物としてのミアンは無くならないと、後者を重要視しています。
現状に悲観しないこと、現状をチャンスとして捉えていること、柔軟な対応ができていること。
生産者のポジティブさには驚きました!
生産者・消費者・自然と寄り添いながら生きているんだなと感じました。
ミアンはラオスの北西部で生産されてます。年末に私達がスタディーツアー訪れる南部でミアンを実際に食べる機会があるかは分かりませんが、是非試してみたいです!!
参考文献
タイ北部における発酵食用茶『ミアン』の伝播に関する一考察 (yunnan-k.jp)ヒマラヤ学誌 2009
横山智 "世界の発酵食品をフィールドワークする" 農文協 2022 p.164~172